MatsuoTech

技術メモとひとりごと。

村上龍「69 sixty nine」を読んだ

エネルギーを求めて買った

裏表紙の挿し文から、エネルギッシュな内容なんだと思って、買った。
でも、違った。衝動的な、ランダムの結果として生まれた出来事が書かれているものは、そんなになかった。
主人公がそう思ったからしている、とそれだけの印象だった。

でも、今の世や、特に私に不足しているものはあった

私は、考えを進めるのが下手くそだ。できないに近い。
でも主人公は、それが上手い。ただただ実行力がないだけの高校生なのだ。

いや、そんなことを書きたいのではない。主人公がコトを起こす原動力が、若々しい欲求だ。
たとえば、金が欲しいだとか、セックスがしたいだとか、そういうことだ。

年齢を重ねると大局的な視点を強要される。キャリアだとか、優先順位だとか、そういうやつだ。
そればかり考えていると、病気になる。少なくとも、私は。

佐世保」とかいう九州の西端の表現

これに関しては文句ない。なんだか偉そうだが、私は不良番長が通っていた県立工業高校の出で、
岩瀬の家の、もう少し坂の上に住んでいた。そのくらいのイメージがつくくらいには
どんな街なのかが表現されていた。過ごしていた時代背景は違えど、
イメージはそうそう風化しないのだなと、感動した。

ケンに憧れる

主人公「ケン」は口がうまく、虚勢を張れる、器用なタイプだ。
器用なタイプだが、動き始める動機は若々しい欲求という、嫉妬すらできるヤツなんだ。
高校生ごろ、不意に過ごしていた自分を思い出すと、辛さすら感じてしまう。そのくらい
憧れてしまった。

次は

私は最近まで、なにもしない人間だった。Youtubeの動画を流し、無で休日を過ごす。 そんな人間だった。でも、この本は、ワクワクできたし、いいなと思えた。 こんな本にまた会いたい。次は、何を読もうかな。